浜松の持ち帰り文化の象徴は二大名産「うなぎ」と「餃子」

浜松における持ち帰り文化の象徴は、うなぎと餃子です。浜松では餃子は生の（焼き上げていない）冷凍された餃子買って帰り、自宅で焼いて食べたり、焼いた餃子を購入して持って帰り、家で食べる文化があります。

浜松市が政令指定都市になり、家計調査年報の調査対象になったことから、浜松が餃子の一大消費地であることがわかりました。その後、浜松市や市民が一体となってPR活動を行い、いまや「浜松餃子」は全国でも名の知れた地域ブランドになっています。

餃子は、前述の通り飲食店で食べるよりも、買って帰って家で食べるという「持ち帰り文化」により発展してきました。実は同じく持ち帰り文化として発展してきたのがうなぎなのです。以前にお話ししたように、浜名湖は日本で初めて養殖が行われた地域です。養殖されたうなぎを、産地で消費している経緯もあります。

浜松の産業とともに醸成された持ち帰りの文化

静岡県西部地域には、うなぎだけを持ち帰って自宅で調理して食卓にあげる文化があると前述しましたが、それは浜松の産業からくる特徴です。浜松は、精密機械を含めた製造業や農業が盛んな地域です。そのため、現場で働くパワーが集約された街と言えます。

喫茶店などは他地域に比べて少なく、現場で働く人が多いことから作業着のままレストランに入る事に抵抗があったのでしょう。特に工業が盛んな浜松では、かつては油の匂いや汚れが気になるため、仕事が終わったら家に帰ってお風呂に入り、家族で食卓を囲むという文化が醸成されてきました。

家計調査年報において、実際に浜松の消費量で全国の県庁所在地・政令指定都市の中で上位10位に入る食材は「かつお」「まぐろ」「餃子」「しゅうまい」「佃煮」「冷凍食品」そして、うなぎなどです。すべて専門店やスーパーで購入して自宅で食べる中食（なかしょく）と言われる食材です。ちなみに工業用の石鹸の消費量も全国でTOP10に入ります。こうした経緯から浜松では持ち帰り文化が醸成されてきました。

浜松にはうなぎの持ち帰り専門店が複数存在します

当店はうなぎの持ち帰り専門店です。「持ち帰り専門店？」と首をかしげる方もいらっしゃるかもしれません。そうですよね（笑）通常うなぎ屋と言えばうなぎを食べる食堂を表しますし、イメージするでしょう。

当店は何度も言いますが持ち帰り専門店で、店頭でうなぎを食べることができなければ、うなぎ弁当としてごはんと一緒に販売もしていません。時折、催事等で出店した場合にうなぎ弁当を提供することがありますが、基本的にはうなぎの白焼とうなぎの蒲焼を持ち帰りとして店頭販売しています。

浜松には、こうしたうなぎの持ち帰り専門店が昔から何店か存在します。うなぎの持ち帰り専門店は静岡県でも西部地区独特の文化ですし、全国的に見てもほとんど無いでしょう。

井口のうなぎはかんたん楽々調理

当店では、うなぎの白焼がメイン商品です。店頭で白焼を購入された方も、ご家庭で召し上がる時にはほぼ蒲焼に調理をされています。そのため、蒲焼に調理をする方法を、誰もが美味しく召し上がれる形でご提案しています。

特にうなぎの白焼は、全国的にうなぎ屋さんでもメニューに入っているところが少ないです。それは、ほとんどの方がたまに食べるのであれば蒲焼で食べたいと思っているという側面があるからでしょう。もしかしたら、白焼自体、よくわからないし食べ方もわからないという方もいるかと思います。

当店で購入される方の中でごくわずかですが、たれを買わずに白焼のみを購入される方がいます。そういう方は白焼にあう調味料を合わせてご購入されていきます。白焼を楽しみたいという方のために当店ではオンラインショップ開店時から、『本格白焼セット』という、うなぎの白焼と白焼にあう調味料をセットにした商品を提供しており、お歳暮などの贈答商品としても人気です。

白焼うなぎの商品一覧

うなぎの白焼は、うなぎ本来の味を味わうことができます。そのため、ごまかしが一切ききません。当店で活かした良質な国産うなぎを、創業以来変わらぬ独自手焼き製法で焼き上げお届けします。うなぎ本来のもつ旨味や風味を存分にご賞味ください。

白焼をご購入していただき、長焼を半分白焼にして半分蒲焼に調理すれば、うなぎの素材のおいしさを楽しむ白焼と、たれとともに食べる蒲焼の両方を楽しんでいただけます。また、うなぎの場合、調理時間が短く済みます。サラダ等の副菜が1品あれば食卓が華やかで豪華な食事になります。白焼の調理の方法に迷われる方は、当店の動画をご覧になってください。簡単においしく調理できますよ。

この記事は私が書きました

井口 恵丞（いぐち　けいすけ）

有限会社うなぎの井口　代表取締役

昭和63年創業、うなぎの白焼のみを販売する「井口うなぎ白焼直売」の2代目として平成8年に後を継ぐ。
以降、法人化、蒲焼やうなぎ関連商品の開発と販売、ビジネスコンテストや店舗の改善で受賞。国際的な味覚の審査機関、「国際味覚審査機構」でうなぎで初めて「優秀味覚賞」を受賞。
毎日うなぎをさばき、うなぎの良し悪しを確認することがを日課としています。