うなぎの井口

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うなぎの井口

うなぎをもっと楽しむコラム

私達が普段から食べているうなぎ。そのうなぎは、全世界で19種類の品種があります。そのうち食用となるのは「日本うなぎ:ジャポニカ種」「大うなぎ:マルモラータ種」「ヨーロッパうなぎ:アンギラ種」「アメリカうなぎ:ロストラータ種」の4品種だけです。日本で捕れる食用うなぎの稚魚は「日本うなぎ」であるジャポニカ種だけです。今回はアジア圏におけるうなぎについて紹介します。

東南アジアのうなぎ

東南アジアでは「ビカーラ種」「パシフィカ種」「ジャポニカ種」「マルモラータ種」の4種類のうなぎの稚魚が捕れるとされています。どれも食べることができ、東南アジアでは特にビカーラ種が多く食べれらています。

稚魚の体は数センチと小さいため、稚魚を採捕した時点では、どの品種なのかがわかりません。東南アジアと日本は、気候分類でも亜熱帯と熱帯とで分けて区分されます。上記4種は、亜熱帯と熱帯のそれぞれで生育する稚魚が混じっています。

環境が異なれば生育条件が異なります。そのため、本来であれば4種類それぞれに生育条件が異なり、それに合わせて養殖を行わなくてはいけません。また、うなぎは水質によって品質が大きく左右されます。東南アジアには、一部うなぎの養殖をしている場所があるとはいえ、複数の種類の稚魚が一緒に採捕されてしまうことから、まだまだうなぎの養殖技術は確立しておらず、美味しいうなぎを食べることが難しい状況です。

中国や韓国、台湾のうなぎ

スーパーに並んでいる中国産のうなぎは「アンギラ種」が多いと思われます。中国や韓国では色々な品種のうなぎを生産しています。台湾にも、うなぎの養殖場があり、大きな土地に大きな路地池で2年かけて養殖します。日本以外の地域の中では、台湾が最も日本と近い形だと言えます。日本から直接取引している養殖場だけではなくうなぎの加工場もあるほどです。

また、路地池で2年かけて生育するため、シーズンでのうなぎの在庫量の変動が少なく、日本のうなぎの供給量が少ない場合には、中国や台湾のうなぎを輸入して販売するケースが多くあります。

日本のうなぎ

うなぎは絶滅危惧種になる前から稚魚を捕って良い地域が制限されています。そもそも稚魚は海流(黒潮)に乗って日本に来るため、黒潮の通る沿岸の海でしか採捕できません。主にうなぎの養殖が盛んな地域で稚魚を採捕するケースが多いです。まれに千葉の羽崎などは採捕しても養殖までしていません。採捕した稚魚は、他の養殖地に流通しています。

日本では、稚魚を採捕した際にほぼジャポニカ種しか捕れません。確率的にはどのくらいかははっきりわかりませんが、他の品種の稚魚が混じることは稀なことです。そのため、ジャポニカ種に合わせた養殖環境で、うなぎを生育することができます。

私は以前に「ビカーラ種」や「マルモラータ種」のうなぎを自ら捌き、焼いて食してみましたが、やっぱり日本うなぎの「ジャポニカ種」が一番おいしいと思いました。うなぎ屋でうなぎを食べるというのはやはり日本ならではの文化です。また、日本ほど繊細にうなぎ扱う国はないでしょう。台湾にはうなぎ店がありますが、そもそもの蒲焼は日本のうなぎ店が出店し、それが長い年月の中で受け継がれてきています。

特に白焼は日本固有の文化と言っても過言ではありません。日本のうなぎほど臭みも無く食べれるうなぎを私は知りません。うなぎの井口がある静岡県浜松市にはうなぎの白焼を食べる文化があります。当店の自慢の白焼を、ぜひご家庭でお召し上がりください。

この記事は私が書きました

井口 恵丞(いぐち けいすけ)

有限会社うなぎの井口 代表取締役

昭和63年創業、うなぎの白焼のみを販売する「井口うなぎ白焼直売」の2代目として平成8年に後を継ぐ。
以降、法人化、蒲焼やうなぎ関連商品の開発と販売、ビジネスコンテストや店舗の改善で受賞。国際的な味覚の審査機関、「国際味覚審査機構」でうなぎで初めて「優秀味覚賞」を受賞。
毎日うなぎをさばき、うなぎの良し悪しを確認することがを日課としています。

通販で買ったうなぎのたれを無駄なくおいしくいただきましょう
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